クルーズ中の船酔いは大丈夫でしょうか?
憧れのクルーズに乗って、旅をしてみたい。
けれど、その胸の高鳴りと一緒に、ふと頭をよぎるのが「船酔い」の不安かもしれません。
ただ、実際にはクルーズ船の大きさや航路によって「船酔い」への心配はある程度払拭できます。

船の「縦揺れ」と「横揺れ」
「縦揺れ」
海の波には「波の高さ(波高)」だけでなく、「波長」という性質があります。
波長とは、波の山から次の波の山までの距離のことです。つまり波のリズムの長さです。
この波長が船の全長より短い場合に、船首が波の山に、船尾が波の谷に、という状態になり縦揺れが発生します。
波長が船の全長と同じくらいかもしくは長い場合は、船のほとんどが一つの波の山か谷に収まるので、滑るように波に乗りやすくなり、揺れが穏やかになります。
つまり船が大きくて全長が長いほど、相対的に短い波長の波には影響を受けにくくなります。
太平洋の外洋で見られる長いウネリは、波長が100m〜数百mにもなりますが、にっぽん丸の全長は166.6メートル、三井オーシャンフジは198,15メートルあります。
一般的に日本近海の波は太平洋などの外洋に比べると穏やかと言われているので、縦揺れについては他の小型船と比べると軽減されます。
「横揺れ」
一方でクルーズ船が大海原を進むとき、最も厄介なのが「ローリング」と呼ばれる横揺れです。
波を横から受けると、船体が左右にゆっくりと揺れ続けるため、これが船酔いの大きな原因になります。
横揺れを抑えるために活躍するのが 「スタビライザー」 です。
この装置は船の下に大きな「舵(かじ)」が横向きに付いていて、海の中で動くオールをイメージしていただければわかりやすいです。
このスタビライザーがあるとないとでは、体感で揺れが半分以下になると言われています。特に波の周期が船の長さと合わない時、揺れが強くなりがちですが、この装置が自動でバランスを取ってくれます。
にっぽん丸や三井オーシャンフジにも、もちろん高性能なスタビライザーが備わっており、日本近海の比較的短い波にも対応しています。
季節と航路
季節と航路と船酔いは密接に関係しています。
ただし、三井オーシャンクルーズは季節と波を熟知しており、その時期に最も安心して楽しめる海域を選んで航路を設定しています。
だからこそ、にっぽん丸や三井オーシャンフジの航路は、初めての方でも揺れを最小限に、海の旅を心ゆくまで味わえるようになっています。
一般的には季節と航路の関係は下記の通りです。
【瀬戸内海航路】
四国と本州に囲まれて波が低く、初めて乗船されるお客様におすすめです。
【日本海航路】
春〜秋がベスト。冬は荒れる可能性が高く、船酔いが心配な方は避けたほうが良いとされます。
【南西諸島航路】
冬場でも比較的暖かく、台風シーズンを除きほぼ1年中波が穏やかでクルーズに初めて乗船される方にもおすすめです。

酔い止めは必要ですか?
ご心配な方はご出発前にお荷物に酔い止め薬をご用意されることをおすすめします。
船内のブティック(売店)ではお薬の販売はございません。
メディカルセンター(医務室)で処方されることはありますが、三井オーシャンフジのメディカルセンターでの処置は日本の健康保険対象外の為、医療費が高額になります。

いかがでしょうか?
三井オーシャンクルーズの船旅では船の設備や航路の選択により、ある程度まで「船酔い」の不安を払拭することができます。
また、船内では生演奏やマジック、ダンスイベントなど、揺れることが予想される船内では考えられないような、さまざまなアクティビティをお楽しみいただけます。
船の揺れは、時に旅の不安のひとつとして語られますが、現代のクルーズ船は揺れを和らげる技術と工夫を備え、穏やかな航海を支えています。どうかご安心ください。
もし船酔いしてしまったとしても、三井オーシャンフジの客室は全室スイートルーム、静かに横になってゆっくりお休みいただけます。
少しの備えと心構えがあれば、船酔いは小さな波のように過ぎ去り、海の上でのひとときはきっと、かけがえのない思い出となることでしょう。
Share